『SR サイタマノラッパー』
埼玉にラッパー、ううむ、似合わん。
いや、現実に埼玉県在住でヒップホップ系の音楽をやってる方々は
たくさんいるだろうけど。
同じ埼玉に住んでる人間から言わせてもらうと、
ここはあまりに日常過ぎて、そういうカッコいいことが似合わない土地なのだ。
この映画に登場するラッパー三人組もBボーイ系のファッションをキメてはいるが、
なんかイマイチな感じが拭えない。
しかもロケーションはネギ畑ばかりが広がる退屈な風景ときてる。
これは僕の生きてる場所と地つながりだし、彼ら3人の姿には自分自身がダブる。
うーん、哀しいなー、地方のセーシュンは・・・。
都会は近そうで実は遠い場所。
JRの線路でつながってるようだが、そこには見えない精神の段差が存在する。
上りの電車で去っていくヒロインと、彼女をイシキしている主人公。
両者のあいだにある越えられないミゾのように。
笑わせるのは「若者たちの声を聞こう」という大人たちの集まりに3人が若者代表として呼ばれるシーン。
彼らと大人たちのどうにも噛みあわない感じ。
しょせんオトナには分かるわけないのだ、小さな町に閉じ込められ、ここではないどこかを夢見る者のキモチは。
この映画、第2弾では群馬の女子高生ラッパー軍団とバトルを繰り広げ、
現在、撮影進行中の第3作では、なんと3Dになるらしい。完成が楽しみだ。
9月25日、大量のエキストラを集めてのロケがあるらしい。
本気で撮影地の深谷まで出かけようかと考えた。ウチから車で2、3時間はかかるけど(仕事が入って断念)。
ご当地ムービーというのは、けして郷土自慢ばかりじゃないのだ。