re-union

あちこちのブログ、HPに書きちらかしたエントリを一本化。

『SR2 サイタマのラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』

冒頭、霧のたなびく深い山あい。どうやら群馬県のどこからしいです。

伝説のラッパーがライブをしたという聖地を探しにきたサイタマのラッパーたち。その名も「SHOGUN」。


いっぽう、たるそうな寝起きの女。

パックはがして、着替えて、ポテチ食って。

それでも張り紙の目標は「格好いい女になる」


家業のこんやく屋を手伝うさえない日々を送っていた彼女は、

サイタマのラッパーと出会うことで、かつて高校の頃ラップグループ「ビー・ハック」をやっていたときの情熱がよみがえり、グループ再結成に動き始める…。

というのが『サイタマのラッパー』第2作のあらすじです。

SHOGUNのメンバーが前作から一人減ってるのが気になりますが、ま、それはおいといて。


テンションの低さがウリの部分もあるパート1でしたが、

今回は物語の中心となる群馬の女子5人の勢いに助けられ、ストーリーもけっこう起伏に富んでます。

画面の隅にもさりげなくご当地名産品や観光ポスターが映り込み、地方色を盛り上げる。

一緒にビー・ハックをやっていたメンバーの一人には安藤サクラ。最近この人の出る映画をどういうわけか立て続けに見てます。


東京から帰ってきた彼女はいまだに都会暮らしを夢観ている様子。

実家が営む古式ゆかしい旅館は、借金取りがおしかけ今にもつぶれそうだが、その片隅になんと伝説のラッパーの部屋が…。

だがSHOGUNたちがストレートにそこへたどりつけるわけではなく、まずは川べりでビー・ハックたちとライム合戦。

群馬と埼玉両県を代表する舌戦、いわばたんなるリズムにのった口ゲンカです。


サイタマのほうが東京に近いだのグンマは関東の水がめだの、おくに自慢みたいなレベルの低~い争いが続き、

最後はデブだのブスだの相手の肉体的欠陥まであげつらう子供のケンカみたいになっていきます。

ま、ユルくて楽しそうなフンイキでもありますが。

そこへコワそうなジモティ登場、ここまでくるとヒップホップというよりただのヤンキーのケンカです。


ともかくSHOGUNに刺激され、ヒップホップ熱が再燃したビー・ハックの面々。

ライブイベントの費用100万の金策にはしります。この悪戦苦闘が映画後半のメインストーリーとなります。


フーゾク嬢はたまたウグイス嬢、はては家でつくってる下仁田コンニャクの横流し(どこへかはちょっと言えない)…


第1作のいかにも自主製作っぽい感じは薄れ、娯楽作としてもある程度の水準に仕上がってますが(エラそうで失礼)、

エンタメに磨きがかかってる分、地方在住の若者のせつない感じは少し薄れたかなーという残念さもあります。

でも、曇天のプールサイドでの水着イベントをはじめ映画全体を覆う、面白くてやがて哀しい「面白かなしずむ」(by椎名誠)の精神は

1作目からしっかり受け継がれています。


ハッピーエンドも悲劇的結末もなくダラダラ日常は続いていき、ヒップホップの世界を一度は夢見た若者も結局はフツーのオジさんオバさんになっていくのでしょう…。

自分たちの住む場所からどこへも行けないまま…。

でもそんな郊外のサエない日常を、どこか赦してるような温かさも感じられる映画です。

ちなみに第3作もつい最近公開されました。関東各県を周遊するのかな?