blog-chronicle〈ブロニクル〉

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昭和歌謡ロックのレジェンド、宇崎竜童降臨!

 8/27(水)、宇崎竜童『JUST GUITER JUST VOCAL LIVE』を観る。
 昨年デビュー40周年を迎えたそうだ。MCでも語っていたが、40年という月日はオギャーと生まれた赤ん坊が40歳のオヤジになってしまうほどの長い時間であり、僕もチンチンにまだ毛も生えていなかった小学生から、いまでは50代に足を突っ込んでしまった。 
 正直いってその間、ずっと宇崎氏の音楽を追い続けていたわけではない。僕の中では宇崎竜童イコール、ダウンタウンブギウギバンド(以下DT)、イコール昭和の音楽という印象が強い。
 もちろん竜童組やR.U.コネクション、妻の阿木燿子氏と組んでの作家活動など、その後の仕事も偉大過ぎることはこっちも十分承知なんだけど。
 それだけに、さすがにもう黒い革ジャン着て「アンタあの娘のなんなのさ」のイメージはないんじゃない? でもまあたまには多少ノスタルジーにひたりながら大人の音楽を聴くのもいいかと思って会場の品川プリンス・ステラボールに出かけてったわけだ。

 客席は思ったとおり年齢層が高くて、最近ライブに行くと、客の中で自分が一番年配の部類に属するのがもう当たり前みたいになってるんだけど、この日は逆に若輩者のほうに入ってたみたいだ。ま、見かけの感じだけなので本当のところはわかりませんが。 
 で、始まったステージ。全曲アコースティックギターでしかもたった一人の演奏で、なんと「30曲やります」と宇崎氏は宣言。序盤は『知らず知らずのうちに』『裏切り者の旅』『恋のかけら』などDTの名バラード中のバラードや初期のブルース色の強いナンバーあたりからのセレクトが続く。 

 曲の合い間にはデビュー当時のエピソードも披露。売れない時期は米軍キャンプまわりの日々で、当時はベトナム戦争でヤンキーたちも荒れており、ステージに飛んでくるビール缶をよけながら演奏を続けたという、時代の匂いがプンプンするような貴重な話も聞くことができた。MCがそのまま昭和の歌謡史みたいになっててすげー。まざにリビング・レジェンド。 

 DT以降も宇崎氏はアーテイスト活動の一方で、そうそうたるメンバーへ綺羅星のごとくヒット・ナンバーを提供していくわけですが、今回あらためてそれらの曲を聴いてみて、隠し味のような濃厚な演歌フレーバーに気づきました。まさに、かつて宇崎氏が自身の曲を「カタカナ演歌」と呼んでいたとおりです。 

 僕自身はあまり演歌好きではないけど、最近の若いバンドの曲よりずっと心に響くのはやはりオヤジだからだろうか。
いまのヤングの体内を流れる血に、昭和歌謡のDNAはたぶん受け継がれていないだろう。それはそれで全然かまわないんだけど。やはりあれは、あの時代特有のもので。
 

 この日のステージでも藤圭子の『面影平野』がとびだしたりして、不勉強な僕は「えー、これも宇崎・阿木コンビの作かあ!?」とびっくり。もちろん昭和の歌姫・山口百恵に書いた『横須賀ストーリー』はじめ一連のマスター・ピースも忘れるわけにいかない。その中から今回宇崎氏は『ロックンロール・ウィドウ』をブルージーにセルフカバー。もう、すごすぎる。 

 休憩をはさんで二部構成のヴォリューム感いっぱいのステージ。当ブログでも前後編に分けて報告いたします。