パワハラ報道に思う、若く無力なサラリーマン時代。
上官のいじめを苦に自殺した自衛官とか、たかの由梨のブラック企業ぶりが問題になっている。
あいかわらず会社というサル山ではボスザルのパワハラがさかんなようだが、自分が若い頃いた会社のパワハラもすごかったな。
ささいなことから上司の説教が始まり、直立不動の立たせっぱなしで1回あたり約2時間の人格否定が続き、なぜか途中から上司の自慢話に変化。まったく論旨が首尾一貫しないままどこまでも続く。そんなことがふつうに週2回。
格別こっちがミスをしたとかいうわけじゃなくて、(まあ僕も若かったから)ちょっと言葉づかいが悪かったとか、外見や服装とか、ささいなことが引き金になる。もちろんそんな理由は付け足しで、向こうにすりゃ個人攻撃がメインの目的なんだから。とにかくありとあらゆる言葉の暴力を浴びせられ、こっちはひたすら「ハイそうです、そのとおりです」と答え続ける。
ときには仕事のあと、人のいなくなった職場で缶ビールを飲みながら説教大会というパターンも。もちろん飲むのは上司だけでこっちは立ちっぱなし。ちなみに買いに行かされるのも自分だったw。残業代も出ないサービス残業、いやパワハラの大サービス。
とにかくどこで上司がキレるか分からないから、ハレモノにさわるような毎日だったな。上司の怒りを怖れてるんじゃなくて説教によって仕事が2時間ストップするのがうんざりだったのだ。しかも仕事とまったく関係ないし。時間の浪費としか思えなかった。いや、奴にしてみりゃ説教というよりたんなるレクリェーションだったんだろうけど。ヒマな会社だったから。
そういう職場にいて身についたことは面従腹背というテクニック、けして他人に本心を見せないという態度だった。内心ではすっかり上司をバカにしきっていたが表向きは愛想のよいイエスマンを演じていた。
いま思うとよくあんなアブノーマルな環境で1年以上も耐えていたと感心するが。当時はまだ終身雇用というウンコな制度が当たり前の世の中だったから。
時代的な要因だけじゃないだろう。ああいう立場を自分がわりと平気で受け入れられたのは、横暴な上司との関係が子供の頃の父親との関係そっくりそのままだったせいもある。ひたすら長くて感情的でこちらの言い分も聞かず一方的なお説教。幼いぼくは「大人ってワケわかんねーな」と思いながら口ごたえするわけもいかず(親は絶対的な権力だ)延々と続くオヤジの小言を表面上はおとなしく聞くふりをしていたのだった。
まあ、あの会社で上司から教わったことはその後も役に立ってはいるだろう。すなわち表とウラを使い分け、他人に心を許さないという世渡り術だ。これは非常に役に立ってるなwww。
会社の中だけでしか通用しない地位をふりまわし弱い者イジメにはしるどうしようもないオヤジども。とうに絶滅したかと思ったがまだ生き残っていたか。早く死んでくれよ。