活躍ってなんだ?
「幼稚園落ちた。日本死ね」というネット上の投稿が波紋を呼び、子育て中の母親たちが国会にデモに押しかけたりなどの動きに発展している。
育児のため仕事をやめざるをえないというブログの内容に共感の声が寄せられる一方、「ちょっと言い過ぎではいか」みたいな批判も集まっているようだ。
感情むき出しで論理なんかすっ飛ばしたこの文章、僕自身はけっこう好きだ。「幼稚園落ちた」から「日本死ね」にストレートにつながる飛躍っぷりも痛快で気持ちいい。
ただ気になったのは「子どもを幼稚園にあずけないと自分は活躍できない」とするブログの論旨で、
わが子を自分の力で育てることは、その人にとって活躍のうちに入らないのかな、と思ってしまう。
でもこれだけ賛同の声が集まるということは、世間の人の多くは「子育ては活躍ではない」と思っているのだろう。
じゃ活躍っていったいどういうことなんだろうと考えてしまうわけで。
この言葉のもとは、もちろん例の「一億総活躍」とかいう政府のスローガンだ。何を意味してるのかよく分からないとヤユもされてるが、やはりこの「活躍」というキーワードは人の心を引きつけるのだろう。
「活躍」=「平凡で退屈な日常の繰り返しではなく毎日がキラキラ輝いて充実している様子」をイメージさせる。
さらに言えば政府の提唱する「活躍」には、景気活性、つまりカネを生み出すという意味合いも含まれてるように感じられる。一銭のゼニにもならないことを必死にがんばってる姿を「活躍」と呼ぶ人は少ないのではないか。最近はボランティアも盛んだけど、これもその目的は地域活性だったりNPO法人化したり、つまりはおカネと結びつくものが多い。
なので世間的には「活躍」=「カネ(プラス人気や名声も)が手に入ること」だという解釈がごく当たり前なのでしょう。だから子育て=会社やめる=活躍できないの三段論法を多くの人が受け入れるわけで。
まあむかしから家事や子育てはカネにならない仕事、シャドウワークなんて言われておりましたが。
べつに僕は「女性は仕事なんかしないで子育てに専念すべきだ」と思ってるわけではありません。ただ男女問わず「子育てだって活躍のひとつじゃないのかなあ」という気がするわけで。最近は「イクメン」だって脚光を浴びてるわけだし。ま、子どもいない人間が口出しすることじゃないかもですね。
待機児童問題にすり替えられそうなこの話題、もう一度「活躍」って何だろうと考えてみたいです。