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『地球へ2千万マイル』

5月に特撮監督のレイ・ハリーハウゼンが亡くなりました。ストップモーション・アニメの大家。シンドバッドとドクロのチャンバラなどはあまりにも有名です。

追悼の意を表して、彼が特殊効果をつとめた『地球へ2千万マイル』を見てみました。

金星探索に出かけた宇宙船がイタリア南部の海に不時着。近くで漁を手伝っていた少年が不思議な卵を海中から拾い上げます。卵は宇宙船が金星から持ち帰ってきたもので、そこから怪物が誕生します。

この怪物、見た目はキングコングと大差なく、いまのおどろおどろしいクリーチャーを見慣れた僕らにはかなり物足りないデザインです。ジャンルの黎明期だから仕方ないですね。ストップモーション技の観賞に努めましょう。

個人的にはシッポの動きがかなりキモかなーと。このへんにハリーハウゼンの美学を感じます。怪物だけでなくまわりのもの、例えば怪物を捕らえる網とかも1コマずつ動かしているのだろう。芸の細かさを感じます。

後半舞台は首都ローマに移動。あっという間に巨大化した怪物は暴れっぷりもスケールアップ、コロセウムのまわりには戦車やジープが集結する。

この軍隊修道のシーンは特撮ではなく実写で、なかなかすごいロケではなかったかと思わされる。コロセウム内部もたっぷり見せる。米軍タンクは怪物に発砲するついでにコロセウムを一部破壊。有名な遺跡なのに何すんのん~、乱暴だな。

タイトルは金星から地球への距離を表現したものでしょう。とにかくかなり遠い場所にあるはずですが、それだけ長い距離を宇宙船が行って帰ってきたわりに乗組員があまり年をとっていない。

他にも動物園のゾウと怪物が争うシーンがありますが、ゾウあんなに大きくねーだろ、3階建てのビルぐらいあるぞみたいな突っ込みはいくらでも可能ですが、なにぶん黎明期ですから。大目に見ましょう。

映画は「いつの時代も進歩への道はとてつもなく険しい」などともっともらしいセリフで締めくくられる。このてのパターンも荒唐無稽映画の定番のような気がします。あまりストーリーと関係ないような気もしますが。当時最新のSFX技術で作られた映画で、文明や科学の進歩を否定してみせるのもなんか妙ですね。

驚くほど進歩を遂げたSFX。その礎をつくったハリーハウゼンよ安らかに。こんな定番パターンでこの文章も締めくくろう。