blog-chronicle〈ブロニクル〉

あちこちのブログ、HPに書きちらかしたエントリを一本化。

聖者が街にやってくる。

 

本日取材したのは地域で長いことボランティア活動をされているというおじさん。

お宅までうかがうとおじさんはサンタクロースの赤い帽子をかぶった姿で出迎えてくれた。

この季節、子どもたちを集めてクリスマスパーティーを開いたりするのだろう。

庭先にはレンガを積んだ手作りの釜戸を中心にベンチが並べられ、

聞くと近所の人が集まって、焚き火を囲み談笑したりするのだという。

地域のために自費を投じて尽力する善意のかたまりのようなおじさんだった。

お話を聞き終え、おいとましようとすると

おじさんは車で駅まで送ってくれるという。本当にいい人だ。

お言葉に甘えおじさんの車に乗り込もうとすると

助手席にはミッキーマウスの電飾人形

(ミッキーの形をした骨組みに電球がいっぱいついてるやつ)

が陣取っていたので後ろの席に坐る。

サンタの帽子をかぶったおじさんが車をスタートさせると、

カーステレオのスイッチが入っていたらしく車内には大音量で「ジングルベル」が。

窓を細めに開けたおじさんの車は、陽気なメロディーを流しながらさっそうと師走の街を走り抜けていく。

けっこうワイルドな運転だ。ボランティアで子供に交通安全を教えたりもするだろうに。

何だかこっちもクリスマス気分になってきた。

あっという間に駅前ロータリーに到着。

ありがとうございましたと頭を下げる僕を残して

おじさんの車はジングルベルをガンガン鳴らしながら去っていく。

ふと我に返るとロータリーに残された僕に

周囲の人々からいっせいに奇異なものを見る視線が。

純粋な善意はなかなか理解されにくいもののようだ。

おじさんには別れ際、手作り(らしい)パンまで袋入りでもらってしまった。少し早めのクリスマスプレゼントかな。