ショー・マスト・ゴー・オン
世の中の仕事は頭脳労働と肉体労働に大きく分けられるようだが
もうひとつ、「感情労働」というのがあるそうだ。
頭脳労働がアタマ、肉体労働がカラダを使う仕事なら
感情労働は文字通り「気を使う仕事」で、
接客業、サービス業がこれにあたるだろう。団体旅行の添乗員も。
何の仕事も大変だけど、感情労働のツラいところは
「ありのままの自分の感情」というやつを殺し
いついかなる時、どんなお客に対しても常に笑顔で接しなければならない点。
人間だから、体調や機嫌が悪い時もあるのにね。
ハードな感情労働をそれなりにソツなくこなしていると、しだいに人格が分裂していくような気分になる。お客へ向けた「接客用の顔」と、プライベートな「巣の表情」の二つに。
「いつもニコニコ」の笑顔のウラでストレスは一方的に溜まっていき
私的な場ではブスッと不機嫌な表情になっていたりする。
この頃はツアーのお客も添乗員に対して要求がキビシく、つねにネコをかぶっていなければならない。
人生はお芝居、なんて言葉もあるけれど、
みんな何か役割を受け持たされて、
それに合わせた仮面をつけてるんだよな。
それがたとえ演技でしかないとしても悲観することはない。
与えられた役割をひたすら演じ続けるのみだ!