blog-chronicle〈ブロニクル〉

あちこちのブログ、HPに書きちらかしたエントリを一本化。

監視社会。

中学校の演劇鑑賞教室というのにお邪魔した。

体育館2階が一般の席になっていて、正面に舞台、下の方に生徒たちが並んで座っている。

上から、同じ制服を着た集団が一糸乱れずに整然と並んだ光景を見ていると

ああ自分たちもこうだったっけなーと中学時代の感覚が久しぶりによみがえってきた。

それにしても開演前から椅子に座ったまま身動きもせず、一切の私語もない生徒らの姿には、少し異様なものを感じた。あまりにも調教されすぎている感じで。

芝居が始まってもその雰囲気は変わらず、上から見ていると彼らが楽しんで観劇しているようにはとても思えなかった。ま、日本文学の古典を題材にした演目だからやたら面白おかしいという内容でもなかったが。

じっと座っている生徒の集団を取り囲むようにして、そこかしこに教師たちが立っている。舞台にはほとんど目もくれず、腕を組んで行ったり来たりしながら生徒らの様子をうかがっている雰囲気だ。

まるで映画に出てくる刑務所の1シーンみたい。生徒たちが囚人で、先生が看守。

目の前で演じられている芝居に対し、感情を露わにしない中学生たち。刑務所で行なわれるショーとかコンサートも、こんな雰囲気ではないだろうか。

僕は途中から芝居の内容などどうでもよくなり、生徒の監視を続ける先生たちの方にばかり注意がいってしまった。

見ていると生徒の間をまわりながら、時折りその顔をのぞきこんだり、手を伸ばして肩に触れたりしている。うとうとしている者を起こしているのだろう。

まさに監視社会。すでに学校の段階からそれは始まっているのか…。

その様子を高見の見物している僕も、ある意味監視する側みたいなもんだったけど。

お芝居が終わったあと役者の一人がいきなり客席におりて「ワッショイワッショイ」とお祭りのパフォーマンスを始めた。突然のハプニングに、それまでしーんとしていた生徒たちからようやく笑い声がもれ始める。見ていて何となくほっとさせられた。

 

blogs.yahoo.co.jp