くつろげない店。
情報紙取材の合い間、時間に少し余裕があると喫茶店に立ち寄ったりする。
もちろん休憩がメインの目的だが、心からくつろげたことはめったにない。食事やコーヒーを飲み終わったら、そそくさと出たくなることがほとんどだ。
店が混んでいて騒々しいとか、もっともな理由もあるが、どうもそれだけじゃないような気がする。
最近のコンクリート造りの店内は客の話し声がやたら反響して、混雑がピークのときなんかは阿鼻叫喚うずまくムードとなっている。
またコンクリやタイルの床の上でスチールの椅子をひくとガガガガガ、とものすごい音がする。くわえて厨房の調理機がたてるブザーやアラーム音…。
これは気のせいかもしれないが、自動ドアが開いて店に入った瞬間、こめかみがビィ~~ンとなるような感じを受けることがある。
コンクリートで囲まれた空間は、人体に悪影響を及ぼす波動を発しているのかもしれない。オカルトっぽいですが。
コンクリ製の箱の中でマウスを飼うと、親マウスは情緒不安定になり、自分の産んだ子を全部殺してしまうという実験データがあるそうだ。最近増えている児童虐待にもつながりそうで、そら恐ろしいものがある。
そういや1980年代、某大学のある●●学園都市は自殺の多いことでちょっと知られていた。
現地を訪れたジャーナリストなどは、郊外に突然出現した、極端に人工的な都市づくりがその原因ではないかと結論していた。
あれから年月がたち、郊外の発展(?)はますます進行している。いま日本各地が、●●学園都市のようになりつつあるのではないか。
騒々しいバーガーショップにいるとそんな妄想がふくらんで、そそくさと店を出たくなる。経営側にとっちゃ客に長居されないほうが回転よくなって好都合なんだろうな。オレたち鉄のオリの中で車輪を回し続けるモルモットみたい。