語り継げ、戦争体験。
終戦記念日も過ぎてしまい、時期遅れの感は否めませんが
来年まで寝かしとくのも何なので、とりあえず書いておきます。 中学2年の夏休みの宿題で、 「身近な人から戦争体験を聞きなさい」という わりと定番と思われる課題が出され、 (いまでは戦争体験者が減って難しいかもしれない) 当時まだ素直だった僕は、うちの親父から戦時中の話を聞くことにした。 親父の話はまあ、巷でよく伝えられているような内容で、格別珍しいものでもなかったのだが 最後にぽつりと出たひと言が印象に残った。 「…でもあの頃(戦争中)のほうが、みんな一つの目標に向かって突き進んでる感じがあって、気持ちに張り合いがあったなあ…」 気持ちの張り…いまでいうモチベーションみたいなものでしょうか。 戦争が終わった現在では、そういう張り合いを失ってしまったというのです。 思わず漏らした本音という感じで、それだけに 「戦争はよくない、平和が一番」みたいなキャッチフレーズめいた文句よりもいちだんとリアリティを感じさせられました。 もちろん戦争に反対していた人や悲惨なめにあった人も多かったろう。 でも親父のような気分を抱いていた人も多かったはずだ。ひとつの目的に向かって「みんなが」努力していたというのだから。 親父のようなタイプの人たちには、 国から押しつけられた目的に唯々諾々と従うことは 非常な一体感を感じられ、快感であったのだろう。 反面、戦後の自由な世の中になってしまうと 何を目標にすればいいのか自分で決めることができない。 そういう人たちは今度は会社の言うなりになって 驚異的な戦後の復興を遂げたのだろうけど。 「戦争体験を語り継ごう」みたいなスローガンが毎年のように繰り返されますが、 親父のように考える人もいたということも一面の真実なので 平和を願う人々には不都合な真実かもしれませんが 一応これも語り継いでおくことにします。 ピースフォーエバー。 |