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「自宅で原稿が書けない問題」の解決法 -sio_note-

テーマ▶クリエイト

「作家とかライターとかって、会社に毎日出勤する必要がなくて、自分の家で仕事ができていいなー」

 いわゆる自由業の人たちに対し、以前はそんなふうに思っていた。

 ところがプロの小説家の中には、自宅以外に仕事場を持って、わざわざ家からそこへ出かけて執筆する人も多いと知って、なんだか意外な気がした。

 会社へ行かなくていいんだから、家で書けばいいのに――と。

 だがいざ自分がライター業を始めてみると、自分ちではなかなか仕事がはかどらないことに気がついた。

 といって、自宅のほかに仕事場を借りる経済力があるわけでもないので、おもにそのへんの喫茶店やファーストフードなどで原稿を書いている。

 外食代もバカにならないので家でやるのがベターなんだろうが……。

 ライターさんの多くも、喫茶店などで原稿書いてる人が大半だろう。
 
「一流のライターは、行きつけの喫茶店を最低三つは持っている」と、ある先輩ライターにいわれたことがある。

 原稿書きに専念できる静かな店、仕事の話や打ち合わせができるような多少にぎやかな店、そして純粋にくつろぐための店、の三種類だそうでで、一流はこれを用途に応じて使い分けるらしい。

 まあ僕が住んでるサイタマの田舎は、喫茶店の数が少なくて選択の余地もないんだけど。一流ライターにはとてもなれそうにない。

 そこで今回は「なぜ自宅では原稿が書けないのか?」問題についていろいろと考察してみた。

 まず自分の場合、家に帰ると気持ちがユルんでしまう。(ユルみすぎて眠くなってしまうこともたびたびだ)。ある程度、気持ちがシャンとしないと、文章というものは書けないらしい。

 また、家では仕事に集中できないという声もよく聞く。家族がいる人などはとくにそうだろう。

 僕の場合、そういう家族はいないのだが、かわりに家には読みたい本、見たいDVD、聴きたいCD類が山積み状態だ。これらが常に誘惑の魔の手を伸ばしてきて、とても仕事に集中する気分ではなくなってしまう。

 思い起こせばライター業を始めたばかりのころは、自宅でもけっこう原稿を書いていた。まだ仕事が新鮮でやる気にあふれていたのだ。

 ところがしだいに情熱が薄れ、仕事も面白みがなくなってくると「家に帰ってまで原稿なんか書いてられっか、それよかのんびり本読んだりDVD観たりしてぇぇぇぇっ」という欲望が断ち切れなくなってしまったようだ。

 娯楽があふれている自宅をはなれて外で仕事するのは、誘惑の魔の手から自分自身を隔離する強硬策なのだ。たとえは悪いが、シャブ中患者を病室に拘束してヤク抜きするようなもんだろう。出版社がよく作家に書かせるために人里離れたホテルの一室にカンヅメにするらしいが、きっとそれも俗世間の欲望から解脱させるためでしょう。

 どうやら家では「仕事がはかどらない」というよりも、「仕事をする気が出ない」といったほうが正確なようだ。これじゃたんなる仕事が嫌いな人だな(笑)。
 
 仕事モードを強制的に発動するには、どうしても書かなければならない状況に自分を追い込むのが一番だろう。

 どうしても書かなきゃならないといえば、なんといっても「〆切寸前」だ。

 僕は優良ライター(自称)なので〆切を破ることはまず、ない。取材が済みしだい執筆にかかり、少し前倒しで入稿することもたびたびなので編集者からも喜ばれている(たぶん)。

 もしかするとそれがよくなかったんだろうか。いつも余裕のよっちゃんだから、家に帰ってまで書く気がしなかったんだな。

 これからは、〆切ギリギリまで仕事に手をつけない不良ライターになったるか!

 

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