新しい元号も「令和」に決まり、ここらで時代もいったんリセットされそうな気配だ。
ではその、過去になろうとしている平成とはいったいどんな時代だったのか。
今さらのように自分の生き方に重ねあわせ、思いを馳せる方も多いだろう。テレビ番組や出版物でも平成を回顧するものが増えている。
そこでたいへんにおこがましくはあるが、この僕なりに平成という時代を振り返り「こんな時代だった」とかってに総括してみようかと。
むろん僕は社会評論家でもなく、この文を書くにあたってこまかく資料にあたっているわけでもないので、
あくまで自分の体感を基準に、平成31年間の印象をつづってみようと思います。
要は飲み屋の酔っぱらいオヤジの雑談みたいに読んでいただければと。
【ということで平成をざっくりと4つに区分。】
【バブルを引きずる第1期(1989~1994)】
好景気に浮かれつつスタートした平成だったが、すぐにバブルがはじけ、時代は一気に下り坂を転げ落ち始めた。坂の上の雲どころか坂の下まで真っ逆さま。
とはいえ世の中も人々も、まだまだ昭和のOSで動いていて「バブルの夢よもう一度」という未練がましい大合唱があちこちで聞かれたものでした。
その願いもむなしく……
終身雇用で安泰のはずだったサラリーマンは次々とリストラされ、就職氷河期で若者はフリーターやニートにまっしぐら。いまではあたりまえの消費税がスタートしたのも、僕ら庶民にとってはイタい出来事でした。
【社会不安が広がる第2期(1995~2000)】
1995年といえば、阪神淡路大震災とオウム真理教事件に尽きるでしょう。
このころはウィンドウズ’95の発売でパソコンやインターネットが爆発的に普及。
また携帯電話を誰もが持つようになって、最初は通話オンリーだったのにすぐにEメールによるやりとりが主流となり、コミュニケーションの形も大きく変わっていきます。
このデジタル革命は、当時中高年だった方々にはキツかったのではないでしょうか。オフィスのPC化で仕事のスタイルは大きく変わり、ケータイを駆使するヤング層にはついていけず……。
酒鬼薔薇事件のような猟奇犯罪の多発、自殺の増加など、時代の闇が深まっていく時期だったように思います。
【グローバル化が進む第3期(2000~2010)】
新しい世紀に誰もが希望をたくしたミレニアム。
しかし現実は米国の同時多発テロやそれに続くイスラムとの確執など、世界は一気にキナくさくなりました。この国も、北朝鮮や尖閣諸島問題など隣国との関係が問われるようになりました。
これらの海外事情が身近になったのも、インターネットが世界中を結んだことによるグローバル化が要因だと思います。技術の進歩で大量の情報を高速で伝達できるようになり、常時接続も当たり前になりました。それ以前はネットの動画なんてすぐに動きませんでしたから(笑)。
文化面でも韓流ドラマやKポップが支持を得たり、アマゾンが日本に上陸するなどボーダレスな状況は進行します。
反面グローバル化には、リーマンショックやサブプライムの破綻による世界同時不況といった負の側面もあるのですが……。
【身近なつながりを求める第4期(2011~2019)】
2011年、東日本を巨大地震が襲い、原発事故が発生しました。
全国からボランティアが集まり、多くの寄付が寄せられ、だれもが絆の大切さを確かめあいました。
多くの犠牲を出したこの大災害をきっかけに、生き方、考え方が変わった人は少なくないのではないでしょうか。
なにげない日常がある日一変してしまう、あるいは身近な人や故郷をとつぜん失ってしまう……それを思えば、人生には仕事なんかよりも大切なものがあるのではないか?
そんなふうに考え方をシフトし、遠くに見える手の届かないしあわせよりも、ささやかだけど身近な幸福をもとめる人が増えた気がします。
ネット上で人々が交流し、つながりあうSNSがさかんになったのも、この大震災がひとつのきっかけだったように思います。
さらに被災した東北地方の復興をはじめ、地域の活性に人々が目を向け始めたのもこのころからではないかと。行くとこまで行ったグローバリズムの反動で、だれもが自分のすぐ隣にいる人々との絆を大事にし始めたのではないかなーと。
深まりすぎたSNS上の関係は、いっぽうで炎上など新たな問題を生み出しています。まだ解決策は出ていませんがこれも次の段階、新しい時代へ移行するためのひとつのステップかもしれません。
……以上ざっくりと、たぶんいろいろと間違っているとは思いますが、僕なりにこの平成31年間の印象をまとめてみました。
個人的にも平成って20代半ばから50代なかば、人生のピークにあたる時代だったことは否めません。
先ほど分類した4つの時期それぞれで、ぼく自身の生き方も大きく変わっていて、
第1期は東京暮らしにしくじって、地元に戻り絶賛ニート生活を送っていた時期。
第2期はどうにか社会復帰したものの転職を繰り返していた不安定な時期で、
第3期は旅行関係の仕事に腰を落ち着け、仕事でもプライベートでも日本国じゅううろついてた時期。
そして第4期から現在にかけては、地元で職を得て地域に目を向け、町おこし的な活動にもかかわった時期。文章を書くことで少しずつお金をもらえるようになった時期でもあります。
それぞれ時代とリンクしてるような無関係のような、むりやりこじつけてる感じもなきにしもあらず。
さて、やがて始まる令和には、なにが待っているんでしょうかねえ……。
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