「ゆるキャラ。」
どの分野でもイノベーターというものは斬新な発想と、それを実行にうつす勇気が必要なものだ。
最近やたら増えてきた「ゆるキャラ」。あれを最初に町や県、企業や団体のマスコットに起用しようと踏み切った担当者はエラい。 それに較べればすでにブームになってしまってから雨後のタケノコのように増殖したゆるキャラたちは志が低く感じられてしまう。 だいたいゆるキャラって「力が抜けている」とこがキモなのだが、ブームにのって安易につくっちゃおうという精神は、あまりにユルユルすぎるではないか。 キャラがユルいのではなく、送り手側の意識がユルい。また計算が見え見えの「ネラった」ユルさというのも鼻につく。「一流デザイナーが考案したゆるキャラ」とかはウソっぽい。 ということで、じゃ、そもそもゆるキャラ第1号は? と考えてみる。検索でも使えば一発で正解が出るのだろうが、それじゃ面白くないからいつものようにあーだこーだと妄想してアソんでみる。 おそらくゆるキャラと名付けられるようになった第1期のキャラたちは、それ以前から個々に存在していたのにちがいない。それがあるとき「発見」され、脚光を浴びた(みうらじゅん氏が紹介して広まったようだ)。 もちろん当初はいまのように100%好意的に見られていたわけではなく、どちらかというとヤユされ失笑を買うようなポジションであった。 これらのキャラは先ほどもいったようにわりとおカタい地方自治体や団体のマスコットが多く、それなりのプライドというか信用も担わされている。 そんな重要なトレードマークがからかいの対象にされれば、当然からかわれた方は怒りの抗議に出るか、あるいはスゴスゴ引っ込めて別の、もっとカッコいいキャラに差し替えるだろう。 しかし何度も言うようだが、このキャラクター担当者はエラかった。少々笑い者にされようがいっこうに相手にせず、堂々とキャラを使い続けたのだ。それがさらなる話題として広がり、結果として団体のPRにもなった。 ついでにいえば、それまで何の気もなしに使われていたキャラクターに「ユルさ」を見いだし、ゆるキャラと名付けて「見える」化したみうらじゅん氏もエラい。 本物のクリエイターというのは、このように何もないところに面白さを見つけていく才能に長けているのだろう。既成のものに寄りかかるのではなく。 こうして自然発生的に生まれるのが本当の意味のブームで、マスコミが仕掛けるブームのように短命には終わらず長期にわたり定着するのだ。 以上。ゆるキャラを語っているのにややカタい論調になってしまい、途中で軌道修正がきかなくなった。ふなっしーや彦にゃんたちと遊んでリラックスしたい気分だ。 |