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バック・トゥ・ルーツ、全作ツィートするぞ!星新一 〜『かぼちゃの馬車』(新潮文庫)

 ツィッター上で「星新一1001夜」という企画? を始めた。氏の1000編を超えるショートショートを一編ずつ要約してツィートしていくという試みだ。

 はじめはアラビアンナイトにならい、毎晩一編ずつ上げていく予定だったがズボラな性格のため不定期ツィートになってしまっている。夜間限定という時間の制約もあるし。

 手元に新潮文庫版のショートショート集が5、6冊あり、まずはその中の『かぼちゃの馬車』から始め、ようやく1冊終えるところだ。


 

 要約といっても、なんせ小学生のころ読んだきりなので内容はほとんど忘れており、あらたにまた再読しなければならない。とっくに卒業したつもりの星新一ショートショートをこのトシで読み返してるわけだ。

 実はツィッターで星作品の紹介を始めようと思い立ったのも、どちらかといえばこの再読がメインな目的だったわけで、
 人生も後半戦に入りもう一度自分のルーツを確かめてみたい思いがこのところ強くなってるというのが本音のところだ。思いっきり後ろ向きだな、オレ。


 僕の読書ルーツは星新一に限ったわけではなく、それより以前から江戸川乱歩の少年探偵団シリーズ(ポプラ社の、背表紙にトランシーバー片手の少年がいる、あれです)や子供向けに易しい文章に訳されたホームズ、ルパンものなんかも読んでた。いわゆる古典文学の名作は敬遠してたけど。

 そういった一連の当時の愛読書の中でもやっぱり星新一を筆頭にあげてしまうのは、
やはり彼のショートショートが本読みビギナーの少年少女には非常に良好な入門的役割を果たしていると思えるからだ。

 ファンタジックなストーリーに簡潔な文章、意外なオチ、そして読んでたときは気づかなかったけど、その内容の健全さも作者がジュニア世代を意識して書いてたとしか思えないフシがある。


 というわけで自分の読書歴の筆頭にもどうしても星氏の名があがってしまうことが多いのだが、
膨大な星氏の作品のうち僕が読んでるのはその半分にも満たないだろう。

 僕が星ショートショートにハマってた時期はちょうど新潮社から全10巻の星新一の作品集というのが出てた。
 その後もリアルタイムで星氏は執筆を続けており、僕がとっくに星ショートショートを卒業した頃に1000編という大記録は達成された。

 そのニュースを耳にしたとき、ぼんやり子供の頃を思い出し、あの頃のように無心に物語を楽しむことはもうないかなあなどと思った。二十歳ぐらいの頃だったかな。


 星氏の作品は子供だましだとか人間が描けていない、みたいな筋違いの批判も多かった。
ショートショートという形式上、簡単に書けそうな誤解を受けたり産みの努力のわりに報酬的に恵まれなかったりとか。

最近読んだ最相葉月星新一 1001話をつくった人』にはそのへんもじっくり書かれており、あのころ面白おかしく読んでいた星作品の陰にこんな苦労があったのかと、あらためてその偉業を再確認する思いだ。

 もう一度本を読む楽しさを思い出すために(べつにいまも十分楽しいのですが)あらためて紐解く星作品。
 短いので再読にも好都合。並行しながら未読のものにも手をつけていきたい。どこまでやれるか星作品の再読&要約。人生後半のライフワークにしていきたいもんです。

 

 

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