7.深夜のスカパー
深夜まわってから自室へ入る。
もうそれほど寒くない。部屋にあふれる混沌を前にして自分を失う。この混沌を整理するだけで俺の人生の残りはほとんど使い果たしてしまいそうだ。新しいことに手を伸ばす余裕なんかどれだけあるだろう。
茫然自失のままスカパーをつける。なんの連関もなく「演劇2」が途中から流れる。
カメラがどこまでも平田オリザを追っかける。平田オリザよくしゃべる。そうでなきゃきっと他人を動かすことなんかできないのだろう。俺みたいにおとなしくやってちゃいつまでたってもダメだ。
テレビつけっぱなしでだいぶ寝てしまった。AM2時半。これはもう翌日といってもいいのではないだろうか。
今日も整理はほとんど手につかなかった。まあ俺の頭の中、俺の生き方をこの部屋はそのまま表わしてるようだ。
映画が変わった。『寝ずの番』。たいして観たい作品でもない。それでも集中して見始めると、これはこれで案外面白いかなという気になってくる。整理も今夜はもう投げ出してしまおう。
また寝てしまった。目が覚めた。『寝ずの番』もうほとんどストーリーもつかめない。
外はまだ暗い。何度寝ても朝は来ない。
まあときにはこうやってひたすら集中して映画を観続けるのもいいのではなかろうか。せっかく視聴料払ってるんだから観れるだけ見とかんとな。
そして朝。いつもと変わらない1週間か。